2019.6.27更新終了しました。
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祖父の話

同じ家に暮らしていた父方の祖父が亡くなったのは、私が小学校三年生のときでした。

私の話は「小学校三年生のときの話」がとても多いです。

祖父が亡くなったあたりからいろいろな状況が変わりはじめ、それに合わせて私自身にも変化が多い時期だったので、記憶の色も濃いのだと思います。

 

祖父母とはあまり仲がよくなかった母は、祖父が横たわる布団の傍らでしずかに泣いていました。

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母が泣く姿を見たのはそれがはじめてです。

声も出さず涙だけを流す母を、なにもできない私はただ黙って見ていました。

 

祖父は交友関係が広かったので、とても大勢の人がお別れに訪れては祖父とのエピソードを話して聞かせてくれました。

ひと癖もふた癖もある人だったので、掘り起こされるエピソードは強烈です。

私はすこし離れた場所から大人たちの話に耳を傾けていましたが、とんでもないことをしでかす祖父を思い浮かべ、大人たちの笑いに紛れて一緒に笑いました。

亡くなっても尚、まわりを明るくする祖父でした。

 

大人たちが別室に集まって真面目な話をしているとき、私は祖父の遺影をまじまじと見て。

おじいちゃんはこんな顔だった?

私が知っている祖父と遺影の祖父とは違うような気がして、うーん…と。

 

しばらく経ってからのことですが、同じく遺影への違和感を口にしたおばがいて、心の中で「やっぱり!」と思いました。

もっとも、”自然な遺影”なんて存在しないのかもしれません。

 

父も単身赴任先に戻り、家は女ばかりに。

祖母は案外シャキッとしていて、その前年におじ(父の弟、祖母の息子)が亡くなったときの憔悴ぶりを思えば、いくらか安心して見ていられました。

 

二、三ヶ月後、祖父の夢を見ました。

お葬式前後の出来事よりもハッキリと、この夢を覚えています。

祖父が家の前の道路をテクテク歩いているだけの夢です。

 

目が覚めてすぐ、祖母のもとへ行って伝えました。

「おじいちゃんの夢を見た」

「どんな夢だった?」

祖母は私が話す夢の内容をじっと聞いて、最後にぽつり。

「おばあちゃんの夢には出てきてくれないよ」

どう答えたらいいのかわからず、曖昧に濁して学校へ。

 

夢の中で祖父が歩いていた道路を進みながら、どうして私の夢に出てきてくれたのだろう?と考えて。

当然考えたところでわかるはずもなく、「おじいちゃん頼むよ~(私よりもおばあちゃんの夢に出てよ!)」と思う反面、深く考えず祖母に夢の話をした自分も無神経に思えます。

 

祖父も私も気が利かないよなあ…

ため息をつきながら学校へ向かう孫を、祖父は見ていてくれたのでしょうか。

 

コメント

  1. 雲水 より:

    おじいさんは仏様になったので

    そんなおばあちゃんも

    貴女のことも

    優しく見つめていたのではないでしようか。

    良い悪いを超えたところから

    あいするものたちへ。

  2. さとぴょん より:

    おじいちゃんのエピソードとか聞いて関心を持ち寝てるときに思い出したのでは…。それか、「今までありがとうと感謝の気持ち。ワシのこと忘れんでくれ」と夢に現れたか…。

    私も、10年前に父を亡くし、3年前ペットの猫ちゃんも亡くしました。(両方位牌まである)父の夢はあまり見ないけど、ネコちゃんの夢はよく見る。

  3. 風のジハード より:

    >「おばあちゃんの夢には出てきてくれないよ」

    瞬間、ドキっとしますね。印象的に残る 強い言葉だと思います。
    何かの拍子に思い出すんですよね。強い言葉って。

    夢と言えば、夕方につい うたた寝をして見る夢って、あまりイイ夢でない印象があります。

    亡きお袋が出てきて「なんだ!死んだと思ってたけど、本当は生きていたんだ!よかった!」っていう夢を、昔 何度か見ました。
    目覚めた瞬間は、まだ良かったと思っているんだけど、夕刻 電気もついていない暗い部屋の中で、徐々に現実に引き戻されて行く時の絶望感は もう味わいたくは無いです。

    ところで小学3年生のたくさんの想い出・・・ちびまる子も3年生を描いているんですよね。
    作者の さくらももこ って亡くなったと思っていたけど、もしかして あさがおさんでは?
    本当は生きていたんだ!よかった!

  4. 朝顔大好き太郎(。-∀-) より:

    だって孫は最高に可愛いからねぇー‼️嫁さんより可愛いし子供も可愛いけど孫には敵わない‼️しかもあさがおカワイイから尚更じいちゃん出てきたのでは?
    ええ話や🎵

  5. Gin より:

    お祖父様は、お祖母様の夢に出たら、連れて帰りたくなってしまうと思ったのだろうね。

    孫の顔はもう一度見ておきたかった。
    でもお祖母様の顔は忘れるわけがないから。

    もう少し、長生きするんだよ、、というメッセージはお祖母様には伝わっていたのではないかな。

  6. 芋羊羮 より:

    こんにちは、あさがおさん。

    僕が生まれた時には、
    父方、母方とも祖父母は
    亡くなっていたので、
    「おじいちゃん」
    「おばあちゃん」
    と、呼べる人は居ませんでした。

    あさがおさんの
    お祖父さんと、お祖母さん
    何十年って時間を一緒に
    生きてきたのでしょう?

    お祖母さんの
    「夢に出て来てくれないよ」は

    お祖父さんには、夢でなくても、
    いつでも、気持ちは伝えられるよ。

    って言いたかったんでしょうね。

    父も母も、弟も、
    将来を約束した彼女も…
    まだ一度も
    夢に出てきてくれません。
    来週、10年ぶりに
    彼女に会いに行ってきます。

    うわぁ…(゜゜;)顔が…
    「おやぢ」やん
    やっぱあの時、別れといて
    正解やったわ…って

    言われないか心配です。

    だって…アラフォーだもん…

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